新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が収束していない状況下において,講義をどのような 形式で行うかは,大学等の教育機関における重要な課題である.滋賀医科大学では,対面での講義を基本としつつ,学生が状況に応じてオンラインで同時配信した講義を受講することもできるハイフレックス型講義を全学的に導入した.各教室に簡単に操作できる配信設備を整備し,学生アシスタントも加えたサポート体制を構築した.学生をメイン教室とサテライト教室に分散させ,QRコードによる座席管理や体調管理ウェブアプリも導入し,感染症への対策も行っている.感染者が発生した際は当日又は翌日から濃厚接触者を含めた学年単位で来校禁止措置を実施し,完全オンライン講義になったこともあったが,学生と教員の双方とも大きな混乱なく対応できている.これまでの受講状況の分析から,学生がどの受講形式を選択するかは,時間割やカリキュラムの影響が大きいことが明らかになった.