抄録
国連の障害者の権利に関する条約(CRPD)第30条に文化的な生活への参加が規定されたことで,障害のある人の文化権への関心が高まっている.そこで,本研究では,障害福祉サービス事業所等で取り組まれている表現活動の成果と課題を明らかにすることを目的に文献レビューを行なった.分野横断的に43文献を選定し,プログラム評価の理論を援用し,質的な分析を行なった.その結果,成果については14のカテゴリ,課題については8のカテゴリが生成された.成果の特徴として,障害のある人だけの一面的な成果ではなく,家族,支援者,地域・社会など「多面性」があり,かつ「相互性のあるプロセス」として現れることが示された.今後の研究課題としては,引き続きプログラム評価の理論を援用し,こうした多面的な成果に寄与する具体的な取り組みのプロセスや活動内容,組織体制等を明らかにするために,実証的な研究を行う必要がある.