2006 年 20 巻 4 号 p. 614-619
非結核性慢性膿胸における開窓術後の閉創術式において大網充填術と筋弁充填術を検討した.対象は2000年以降当施設において非結核性慢性膿胸に対して開窓術を施行した8例で,そのうち大網充填を併用して閉創したのは4例,筋弁充填(大網非使用)例が4例であった.膿胸腔の浄化が不十分と思われた症例に大網充填術を,その他の症例群に筋弁充填術(大網非使用)を施行しいずれも膿胸腔の閉鎖は可能であった.開窓術後の閉創法については大網非使用の症例群にも注目し,大網使用の可否やタイミングに対するエビデンスを確立するように試みる必要がある.