抄録
胸椎近傍胸壁浸潤非小細胞肺癌は完全切除が難しく,より完全な切除を目指した導入化学放射線療法を行ってきたので検討した.男性6例に対しCDDP+TXTもしくはCDDP+NVRをそれぞれ3例に投与し,同時に40Gyを5例,60Gyを1例に行った.全例術前治療は完遂でき,SDが4例,PRが2例で,全例完全切除できた.術後病理学的治療効果はEf0が1例,Ef1aが1例,Ef2が3例,Ef3が1例であった.中間観察期間30ヵ月の下,断端再発は2例(Ef0またはEf1の症例),局所再発は肺に1例,遠隔転移2例であり,中間生存期間は19ヵ月,3年生存率は22%であった.症例数が少なく統計的裏付けは得られていないが,病理学的治療効果が良好な症例に対して,本術式は有効に局所制御できた可能性があるが不良な症例では拡大切除を考慮する必要がある.