日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
傍椎体腫瘍との鑑別を要した結核性膿瘍の1例
関 みな子
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2008 年 22 巻 1 号 p. 73-76

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抄録
症例は31歳・男性.血痰精査目的に施行した胸部CTで椎体右側に腫瘤性病変を認め,傍椎体腫瘍の診断で胸腔鏡下に手術を施行した.横隔膜に強固に癒着する腫瘤を認め,剥離操作の際に内容物が流出し,その検体から結核性膿瘍と診断された.肺や食道との交通は明らかではなく,感染経路は不明であった.本症例は炎症所見や感染症状はなく,臨床的に膿瘍を疑う根拠の乏しい症例であり,切除にて初めて結核と診断された,まれな病態と考えられた.
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© 2008 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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