日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
成長ホルモン投与中の14歳女性の初発の同時両側性原発性自然気胸に対する一期的両側胸腔鏡手術の経験
水谷 尚雄萱野 公一
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2008 年 22 巻 7 号 p. 1067-1071

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抄録

若年女性には稀な初発で同時両側性気胸となった原発性自然気胸に対し一期的に両側の胸腔鏡下手術を施行した一例を経験した.患者は初潮前の14歳の女性.低身長に対して,他院で成長ホルモンを投与中であった.1ヵ月ほど前に胸痛が出現したが自然に軽減していた.4日前からの咳嗽を主訴に近医を受診し両側気胸と診断され当院へ紹介.胸部X線写真上右がKircherの虚脱度III度,左がII度であった.同日,両側胸腔ドレナージを施行し,翌日胸部X線で肺の膨張を確認後に胸部CT検査を施行.両肺尖部に限局したブラを認めたが,瀰漫性肺疾患は認めなかった.原発性自然気胸と診断して入院3日目に側臥位で両側胸腔鏡下手術を施行した.摘出標本の病理検査では胸膜直下のブラと診断され,隣接肺実質にも気腫性変化を認めた.翌日にドレーンを抜去し,術後4日目に退院した.

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