日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
傍腫瘍性辺縁系脳炎に対する外科治療の検討
長阪 智伊藤 秀幸前屋舗 龍男桑田 裕美木村 尚子森田 敬知
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2010 年 24 巻 1 号 p. 062-068

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抄録
傍腫瘍性辺縁系脳炎(Paraneoplastic limbic encephalitis:以下PLE)は非常に稀な疾患であり,適切な腫瘍に対する早期治療がなされなければ予後不良である.検索範囲内において,国内では胸腺腫・胸腺癌による辺縁系脳炎の報告は一例で,剖検例での報告であった.海外では11例報告されており,胸腺腫に随伴したPLEは早期発見,手術を含めた集学的治療が有効であったとの報告が散見される.今回我々の経験した胸腺腫に随伴したPLE症例は,当院転院時に挿管・鎮静された状態で,非常に重篤な状態にあったが,手術を含めた集学的治療にて社会復帰にまで至った.これまでの海外での報告例(11例)の経過も含め報告する.
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© 2010 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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