日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
V6の走行異常を伴う肺切除の2例
福原 光朗木下 裕康飯島 慶仁中島 由貴鈴木 弘行浦本 秀隆
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2016 年 30 巻 2 号 p. 193-197

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抄録

症例1は70歳男性.前胸部痛を主訴に前医受診.胸部CTで右S2に13 mm,右S10に19 mmの結節.上縦隔リンパ節に有意腫大あり.上葉結節は良性腫瘍の疑い,下葉結節はcT1aN2M0 Stage IIIAの肺癌疑いで手術の方針とした.術前3-dimensional computed tomographic angiography(3D-CT Angiography)で右V6の上肺静脈への流入を認めた.術中,肺底静脈は左房,V6は上肺静脈への流入を確認し,右肺上葉部分切除術,右肺下葉切除術+ND2a-2施行.症例2は65歳男性.他疾患観察中,右肺中葉に25 mmの結節出現.術前3D-CT Angiographyで右V6の上肺静脈への流入を認めた.cT1bN0M0 Stage IAの肺癌疑いで右肺中葉切除術+ND1b施行.V6走行異常を術前に把握し,安全に手術しえた2例を経験したので報告する.

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