日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
ICG併用VAL-MAPとICG静注区域間同定法を用いた胸腔鏡下肺区域切除例の検討
平野 豊荒木 恒太鳥越 英次郎松本 千晶八杉 昌幸池田 元洋尾形 佳子玄馬 顕一鷲尾 一浩
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2021 年 35 巻 1 号 p. 2-11

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抄録

小型肺癌に対する術前マーキング法として気管支鏡下肺マッピング法(VAL-MAP)が広まりつつある.だが術中色素を認識困難な時があり,当院では区域切除時にはインジゴカルミンにインドシアニングリーン(ICG)を併用し赤外光胸腔鏡で確認するICG併用VAL-MAPを行い,ICG静注区域間同定法(ICG静注法)と併用している.当院で小型肺癌に対する区域切除時にICG併用VAL-MAPとICG静注法を用いた15例で検討した.ICG併用VAL-MAPの合併症は軽度の気胸が1例あった.全マッピング中18.4%が通常視野で認識困難だったが,赤外光観察下で1ヵ所以外全て認識可能であった.VAL-MAPのICGとICG静注との蛍光域の識別は概ね容易で,全例断端距離/腫瘍径比(M/T)≥1であった.早期肺癌に対する胸腔鏡下肺区域切除においてICG併用VAL-MAPとICG静注法の併用は安全かつ有用と考えられた.

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