1991 年 5 巻 6 号 p. 619-622
11例の肺葉切除症例に対し術後早期にエロゾール吸入肺スキャン, 肺血流スキャンを行い, さらに, 肺循環動態ならびに, 機能的残気量と動脈血ガス分圧の測定を行った.術後第4病日から第21病日以降まで, 手術側のエロゾール沈着比, 肺血流スキャン比に変化はなかった.肺血流スキャン比と心拍出量より求めた手術側肺血流量も術後第4病日と第21病日以降では変化はなかった.機能的残気量も切除により減少したが, その後はほとんど変化はなかった.以上より, 肺葉切除後の手術側残存肺は早期に肺血流量, 肺容量が決定されると考えられた.