日本呼吸器外科学会雑誌 呼吸器外科
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ファロー四徴症根治術後に合併した肺アスペルギルス症の一手術例
阿部 能明栗栖 純穂駒形 清則小川 伸郎矢野 真森田 敬知稲垣 敬三荒井 他嘉司宮地 純樹
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1991 年 5 巻 6 号 p. 653-658

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抄録

ファロー四徴症根治術後に合併した肺アスペルギルス症の手術報告例は本邦ではない.最初の喀血から喀疾中にアスペルギルス菌体を証明するまで5年を費やしその間の胸部X線写真上興味ある経過を呈した症例に対し肺全摘術を施行し良好な結果を得た.また, 胸壁から肺尖部菌塊へかなりの異常血管を認め, 左肺動脈は完全閉塞しており, 組織学的に左下葉肺には高血圧性変化が見られた。アスペルギルス症の診断はアスペルギルス菌体の証明であるが, 一般に喀淡中からの検出率は低く気管支鏡などによる積極的な診断が必要であると思われた.

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