日本呼吸器外科学会雑誌
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心停止ドナー肺移植の実験的検討-保存後両肺移植モデルによる検討
西 英行
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1997 年 11 巻 1 号 p. 25-33

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抄録

心停止ドナー肺に, 100%O2によるin飴teおよび, 灌流液に二つの添加物を加えることにより, 保存時間の延長を犬両肺移植モデルにて検討した.ドナーはヘパリン化することなくKLCにて犠牲死後, 100%O2にてinflateし2時間室温下に放置した.肺をEPC (a phosphate diester linkage of Vit.Eand Vit.C) 添加LPDG (low potassium dextran glucose) 液でnushし, 量後にウロキナーゼを注入した。摘出後EPC添加LPDG液に単純浸漬保存した.保存後, 心肺バイパスを使用せず両肺移植した.移植後各群とも経時的に6時間まで移植肺機能を評価した.TIT (totalischemictime) にて以下の3群に分けた.1群 (n=6) : 12時間, 2群 (n=6) : 18時間, 3群 (n=6) : 24時間。各群とも前例6時間生存した.1, 2群とも呼吸機能良好で, 血行動態も安定していた.3群のうち2例は, 呼吸機能不良であった.以上より, 心停止後2時間の肺を18時間保存できる可能性が示唆された.

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