日本呼吸器外科学会雑誌
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肥大性肺性骨関節症を呈した肺癌切除例の報告
田畑 俊治谷田 達男小野 貞文野田 雅史星川 康岩淵 悟半田 政志岡庭 群二藤村 重文
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1997 年 11 巻 1 号 p. 55-60

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抄録

肥大性肺性骨関節症 (pulmonaryhy pertrophic osteoarthropathy : PHO) を合併した原発性肺癌の2手術症例を経験したので報告する.2症例とも男性で, 四肢の関節痛, ばち状指を主訴として当院を受診した.胸部X線写真上, 異常陰影を指摘され精査目的にて入院となった.術前の気管支鏡検査にて癌細胞が検出されたこと, 骨単純X写真上, 骨膜反応を認めたこと, 骨シソチグラフィーでは両側の肘関節, 肩関節, 手関節, 膝関節, 足関節に対称性の異常集積を認めたことから, PHO を合併した原発性肺癌と診断し, 肺葉切除術及び縦隔リンパ節郭清 (R2b) を施行した.病理所見は低分化型腺癌と大細胞癌で2症例ともStage I (pT2N0M0) であった.術後, 関節痛は速やかに改善し, 骨シンチグラフィーにおける異常集積も減衰した.PHOを合併した肺癌の診断並びに術後経過追跡には関節所見並びに骨シンチグラフィーが有用であった.

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