日本呼吸器外科学会雑誌
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食道癌術後再建挙上胃管癌単発肺転移の一切除例
平松 聖史中川 健奥村 栄土屋 繁裕飯島 京太松原 敏樹
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1999 年 13 巻 6 号 p. 784-788

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抄録

食道癌術後再建挙上胃管癌が発生しこれを切除, その後この挙上胃管癌の異時性単発肺転移を来し, これを切除しえた一例を経験した.患者は63歳男性, 食道癌術後7年6ヵ月後挙上胃管癌にて幽門側胃管部分切除術を施行した.その2年2ヵ月後胸部CTにて右肺S1に径5mmの結節陰影を認めた.3カ月後の胸部CTにて結節陰影は12×10mmと増大した.病理組織学的診断はないものの臨床経過と画像所見より挙上胃管癌の単発肺転移と診断し右再開胸による右肺部分切除術を行なった.切除標本は病理組織学的に挙上胃管癌の肺転移と診断された.挙上胃管癌の症例報告は年々増加しつつあるが, 肺転移切除症例は検索しえた限りでは本邦のみでなく海外を含め報告はなく本症例が初めてである.

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