日本呼吸器外科学会雑誌
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慢性血液透析患者に発症した肺癌に対する左肺摘除術の1例
李 宗雨岡安 健至皆川 知広金田 雅子安部 達也田邉 康久須美 貴哉鈴木 雅之大原 正範平川 和志大道 光秀細川 正夫
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キーワード: 血液透析, 肺癌, 肺摘除術
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1999 年 13 巻 6 号 p. 801-806

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抄録

症例は62歳, 男性.約1年前より慢性腎不全にて週3回の血液透析を施行されていた.定期の胸部単純X線で左肺上葉の無気肺を指摘され, 精査の結果, 左上葉入口部原発の扁平上皮癌で下葉支への浸潤が認められた.週3回の維持透析により患者の全身状態は良好にコントロールされており, 術前3日間連日透析施行後に, 左肺摘除術, 縦隔リンパ節郭清術を行った.術後は1日目より2日間透析を施行した後, 術前の透析スヶジュールに戻した.グルコース・インスリン療法を併用することにより術後の血清K値は良好に維持され, 術後18日目に退院した.

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