日本呼吸器外科学会雑誌
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頸部リンパ節転移を有する肺癌の長期生存の1例
斎藤 勤沖津 宏
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キーワード: 肺癌, 頸部リンパ節転移
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1993 年 7 巻 4 号 p. 477-482

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抄録
肺癌術後の頸部リンパ節転移に対し, 6回の頸部リンパ節摘除と左右の腋窩郭清を行い, 初回術後86ヵ月と長期生存中の症例を経験した.症例は初回手術時54歳, 男性.肺癌のため左肺摘除術を施行した.初回手術14ヵ月後に左鎖骨上窩リンパ節転移を認めリンパ節摘除術を施行した.以降, 同頸部リンパ節転移再発にて4回のリンパ節摘除術を施行した.初回手術42ヵ月後の再発時には腫瘍の残存も考えられ左頸部に放射線療法を追加したが, その後も同頸部には再発がみられ, さらには同側腋窩, 右頸部および同腋窩にもリンパ節転移がみられ可及的に摘除した.左頸部には腫瘍の残存があったが初回手術77ヵ月後まで遠隔転移を認めず, performance statusは良好で頸部リンパ節転移例にも積極的外科治療が有用であった症例と考える.
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