日本呼吸器外科学会雑誌
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胸郭成形術後26年を経て頚部に穿通した胸壁異物性肉芽腫の1手術例
末岐 博文中原 数也藤井 義敬松村 晃秀南 正人稲田 啓次奥村 明之進松田 暉
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1994 年 8 巻 2 号 p. 164-168

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抄録
患者は60歳, 男性.主訴は頚部の腫瘤状の膨隆.26年前に肺結核に対して右上葉切除術ならびに胸郭成形術を受けた.結核の再発による頚部リンパ節炎を疑い抗結核剤を投与したが, 腫瘤は縮小傾向を示さなかった.この間, 腫瘤形成部位の皮膚が発赤してきたために切開術を施行したところ, ガーゼ様の線維組織をみた.細菌培養では, 一般細菌, 結核菌ともに陰性であった.過去の手術時に遺残したガーゼを誘因に発生した肉芽腫と診断し手術を施行, 全摘出した.胸郭成形時に遺残したガーゼによる肉芽腫が頚部に穿通した極めてまれな症例と思われるので報告する.
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