本報告では,ポストコロナの大学教育を考えるにあたり,とくに社会人教育の置かれた状況を概観し,社会人を対象として高い評価を受けていたビジネス系大学院の事例をとりあげ,これからの大学教育に活用可能な教育方法や教育評価のあり方を検討する.対象とする2校(グロービス経営大学院大学,名古屋商科大学大学院)については筆者が訪問調査を行い,両校の教学トップ層の話を聞くとともに,資料収集により補完した.その結果,ポストコロナの大学教育の在り方を考えるには,対面-遠隔という教育方法の軸だけでなく,同期型-非同期型の軸も加えた教育方法の特性を組み合わせた教学マネジメントが重要となることが考えられる.