本研究は,学士課程教育における卒業研究等の実態を明らかにすることを目的としたものである.これまでも,大学・学部・学科・分野の各レベルから卒業研究等の状況について尋ねた調査は行われてきたが,学士課程教育における卒業研究等の状況を全分野にわたって詳細に示したものはみられなかった.そこで,全国5370学科の責任者を対象に郵送法による質問紙調査を実施し,1446件(26.9%)の有効回答を得た.その結果,卒業研究等とディプロマ・ポリシーとの関係は多様であるものの,卒業研究等は知識・態度・技能を包括的に評価することができること,卒業研究等に関するFDの実施率や,カリキュラム改善への活用率は低いことが明らかになった.また,可能性の域を出ないものの,分野別の特徴差も可視化された.