沿岸域学会誌
Online ISSN : 2436-9837
Print ISSN : 1349-6123
論文
東アジア圏域における海岸漂着ごみの流出起源の推定
藤枝 繁小島 あずさ
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2006 年 18 巻 4 号 p. 15-22

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抄録

要旨:ディスポーザブルライターを指標とした海岸漂着散乱ごみの流出地推定法を用いて,日本の東シナ海・日本海海岸と韓国の全羅南道海岸における漂着ごみの流出起源を比較し,東アジア圏域における海岸漂着ごみの問題点について検討した。その結果,中国,台湾を起源とするライターは東シナ海の島嶼海岸に,また韓国を起源とするライターは島根県~福井県の日本海海岸に大量に漂着しており,さらにそれらは日本海北部の青森県西岸から北海道留萌海岸にまで達していた。また韓国海岸でも日本と同様,中国,台湾を起源とするライターが大量に漂着していた。ただし日本,韓国とも自国を起源とするライターが自国海岸で最も多く確認された。本手法は,日本,韓国両海岸において海岸漂着ごみの流出起源の特徴を同様に明らかにすることができたことから,東アジア圏域における海洋ごみの流出起源,影響範囲および経年変化等を監視する共同モニタリング手法として利用できるとものと考える。

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© 2006 日本沿岸域学会
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