2006 年 18 巻 4 号 p. 79-91
要旨:インパクト・レスポンスフローは,工事等の物理的変化が生物や生息環境に与える影響を伝搬経路で整理する手法である。本論文においては,工事海域周辺に存在する生活史や生息環境が十分には解明されていない貴重種オキナワヤワラガニに対して,合理的なモニタリング計画を策定するため,インパクト・レスポンスフローを活用する方法を示した。このフローにより,伝搬経路が複雑な海域においても,当該種についての既存の情報を用いて必要十分なモニタリング項目を設定することが可能となった。さらに,監視結果を監視方法や体制の拡充にフィードバックさせる方法についても示した。