沿岸域学会誌
Online ISSN : 2436-9837
Print ISSN : 1349-6123
論文
瀬戸内海に流入する13河川における散乱ごみの分布特徴
藤枝 繁
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2010 年 23 巻 1 号 p. 35-46

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抄録

要旨:瀬戸内海における海洋ごみの主要流出源である河川における散乱ごみの実態を明らかにし,解決策を検討するため,2007年5 月から2008月8 月,一級河川の大和川(大阪府,奈良県),淀川(大阪府,京都府,奈良県),加古川(兵庫県),吉井川(岡山県),太田川(広島県),土器川(香川県),重信川(愛媛県)の7 水系,二級河川の三原川(兵庫県淡路島),春日川(香川県),香東川(香川県),椹野川(山口県),今川(福岡県)の6 水系,計13 水系において,「水辺の散乱ゴミ指標評価手法」を用いた河川散乱ごみの広域分布調査を実施した。河川延長1,092km を調査し,39t の散乱ごみを確認した結果,最も散乱ごみ量が多かった河川は,大阪湾に流入する大和川で22.7t,総合評価ランクは3となった。河川散乱ごみは,海岸漂着散乱ごみに比べ低密度で広域に分布しており,本手法を用いて「ゴミマップ」を作成することにより,河川における散乱ごみの有無,滞留・集積,不法投棄地点等を明らかにすることができた。

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© 2010 日本沿岸域学会
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