2014 年 27 巻 1 号 p. 61-69
要旨:港湾域に存在する浅場の生物生息場としての活用の可能性を検討するために,東京港内の運河域において,レーザ測量と音響測深機を併用して詳細地形を計測し,浅場の存在量と空間分布特性を把握した。その結果,-3 m以浅の浅場が7.1×105 m2あることが判った。これは,対象面積の18.0%であり,三番瀬干潟の約5割に相当した。また,これらの浅場は一箇所に集中せず,広域に点在していた。これらのことから,東京港内において,広域的な生態系ネットワークの構築および生物の生活場や生活史を考慮した広域的かつ持続可能な生物生息場の創造の可能性があることが示された。