沿岸域学会誌
Online ISSN : 2436-9837
Print ISSN : 1349-6123
論文
神社と関連する海の精神的恩恵の定量評価に関する検討
秋山 吉寛黒岩 寛山内 都江岡田 知也
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2017 年 30 巻 3 号 p. 91-102

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抄録

要旨:精神的恩恵をもたらす海の力を,神社に存在する神霊として捉え,海の精神的恩恵の大きさを定量的に評価する方法を考案した。この方法を用いて,現代の大阪湾流域および東京湾流域における神社と関連する海の精神的恩恵の豊かさを相対的に比較した。海と神社との関わりの有無を示す3つの指標(海と関連する神事あるいは祭礼の有無,御祭神の種類,および,神社の本殿から海岸までの距離)を用いて,海と関わりのある神社を抽出した。神社と関連する海の精神的恩恵の豊かさは,海と神社との関わりの深さと,神社利用者の多寡を表す三が日初詣者数との積で得点化された。この方法を用いて,大阪湾流域および東京湾流域の神社を分析した結果,神社と関連する海の精神的恩恵の得点は,大阪湾流域の方が高かった。神社と関連する海の精神的恩恵の豊かさは,1)海と多くの人々とを長年繋いできた神社,および,2)海とその周辺の環境の状況の影響を受けて変化すると考えられる。

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© 2017 日本沿岸域学会
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