2019 年 32 巻 3 号 p. 41-51
要旨:公園緑地等に設置されるモニュメントは,記念碑及び修景を目的として,公園緑地等のウォーカビリティを高めるストリートファニチュアとして重要な機能を果たしている。特に臨海部に立地する公園緑地等は,都心部に立地するものに比べてアクセスビリティが弱く,イベント開催等の「コト要素」に欠けるため,「モノ要素」としてのモニュメント設置の効果が高く,場や立地との結びつきが求められる。そこで本研究は,千葉県沿岸域に立地する公園緑地等に設置されている69基のモニュメントのデザイン特性及び立地特性を調査し,その関係性を分析した。その結果,人口集中地区を後背にする京葉工業地域に半具象形式と抽象形式のモチーフが多く,他の地域では文化を反映した碑等のモチーフが大半を占めた。また丘陵地域は海の眺望や沿岸域の公園の特性をうまく生かしたモニュメントが多く設置されていた。