著者らは,沖縄県本部町の浜崎海岸の人工リーフにおいて,サンゴの活着・生育状況が良好であることを2017年からの継続調査結果から明らかにしてきた。本研究では,継続調査を実施し,2020年~2023年のサンゴ生育状況の経年変化,ブロック上の堆積物量との関係,軽石漂着の影響,ブロックから脱落したサンゴの状況,夏季の昇温による白化等について考察した。調査の結果,経年的にサンゴは増加傾向であり,人工リーフ沖側ではテーブル状サンゴが,岸側では枝状サンゴが安定的に成長していることがわかった。脱落したサンゴの人工リーフ基礎部での再活着,白化からの回復を確認でき,当該人工リーフはサンゴの生育に適した環境を提供している可能性が高いといえる。また,堆積物量が少ないほどサンゴ被度は大きくなる傾向がみられ,特にテーブル状サンゴでその傾向が強いことがわかった。