2026 年 39 巻 1 号 p. 17-26
本稿では、釣りへの参加人口の減少と乖離した釣用品市場の拡大に着目し、釣りトレンドの変化を整理しながら市場が再拡大した要因を明らかにすることで、海洋レジャー、ひいては広範なレジャーの振興を検討するための基礎的知見を提供した。1990年代半ばにおける第3次釣りブームを形成したバスフィッシングの縮小を契機として、バス釣具を流用したシーバスフィッシング、さらにオフショアフィッシングへの展開が進んだ。この過程では、釣り人口の減少とソルトルアー市場の拡大が生じ、さらに、マニア層を中心としたバスフィッシングマーケットの再拡大が見られ、釣用品市場の再拡大をもたらした。このような釣用品市場再拡大の主要因としては、釣用リールの高い寄与と成長率があり、なかでも海でのジギングに用いられるような高単価リールや、大型リールの寄与が大きかった。この結果は、海洋レジャー振興における、参加人口の拡大だけによらない質的な変化を重要視した振興策の可能性を示している。