2004 年 16 巻 1 号 p. 1-13
本文は,沿岸域の自然環境が生物や水質,底質などの生物・化学的環境要素と海域の開口度や潮汐などの物理的環境要素に支配されているとし,これらの要素を総合的に取り入れた評価手法を提案する.そのためには,自然環境を構成する環境要素の重要度を決定する必要があり,有明海と博多湾の沿岸域を対象としたアンケート調査を九州一円の大学の教員や学生,研究者などに対して実施したまた,九州沿岸の主要な海域で環境要素の現地調査を行った.これらの結果より,物理的および生物・化学的環境度を求め,それらの座標系で海域の環境を評価し,調査海域の環境特性を明らかにした.また,アンケート調査の回答者属性による環境意識の違いを考察した.