日本糖尿病教育・看護学会誌
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研究報告
2型糖尿病患者がインスリン療法を意味づけるプロセス
小澤 直樹稲垣 美智子多崎 恵子松井 希代子
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2017 年 21 巻 1 号 p. 1-10

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抄録

本研究の目的は2型糖尿病患者がインスリン療法を意味づけるプロセスを明らかにすることである. 対象者はインスリン療法を導入して3か月から10年以内の2型糖尿病患者20名であり, 半構成的面接を実施し, 分析は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた. その結果, 24の概念が生成され, 2型糖尿病患者のインスリン療法の意味づけは, 9つのカテゴリーと2つの概念によってプロセスを描くことができた. 患者はインスリン療法導入時, 導入することをインスリン注射を打つ事実として捉えることから, インスリン療法は適切な時期に速やかに導入すべきことが示唆された. また, その後は《身体のイメージに基づくインスリン療法の理解》と《養生できないことを引きずる》場合に分かれ, どちらの場合も《インスリン療法を受け入れようと励む》へと向かうプロセスであった. これらより, 導入後のプロセスにおける意味づけは, 現在のインスリン療法を受け入れようとするための関わり方に活用できることが示唆された.

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© 2017 一般社団法人 日本糖尿病教育・看護学会
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