抄録
本稿では、保育の場における子育ての支援とりわけ在園する保護者の支援について論じることを目的とした。まずは、保育の場において求められていることを保育所保育指針等から導き、また支援者である保育者を養成する課程(カリキュラム)において求められていることを確認した。また、子育ての支援の目的として「子どもの育ち」および「親の育ち」の両方を支えるという2つの視点をもつ必要性について指摘した。さらに、現在の保育の場における保護者支援の課題の傾向と今後の研究・支援の方向性および必要性を探るべく、CiNii Researchを使用し「保育」「保護者支援」のキーワード検索で抽出された2018年から2024年に刊行された52編の研究を概観した。その結果、多様な支援ニーズへの対応、保育者の抱える困難感等の意識と支援者支援の必要性、保育者養成における創意工夫、保護者との連携における双方向の視点の必要性について考察された。