本研究では、大学ラーニングコモンズ等の学習空間における学習支援活動への参加が、学生スタッフの能力開発に与える効果を明らかにする。具体的には、関西の中規模総合私立大学において、自習室やPC等の備品の貸し出しおよび、授業外での勉強方法やPCの使い方のアドバイス等の学習支援活動を担う学生スタッフ20名を対象に、傾聴力や伝達力、協働力、問題発見・解決力が上記活動によって変化したか(しなかったか)や、その理由、それらを実感できる経験や考え方の変化等についてインタビュー調査を行った。調査及び分析の結果、多くの学生スタッフが傾聴力、伝達力、協働力の向上を実感しており、活動の中で問題を発見、解決している事例が複数確認された。このことから、自身の大学の学習支援に携わることで、学生の能力の向上が期待されることが明らかとなった。