わが国の大学は、全学的な教学マネジメントの取組が求められている。その実行にあたっては、学長をはじめとする役職者のみならず、現場の担当者レベルの行動や能力が重要であるが、その人物的特徴は明らかにされていない。そこで、本研究では、「教学マネジメントを推進するアクターにどのような役割・知識・経験が求められているのか」という問いを設定し、20校の国公私立大学の推進アクターを対象に行ったインタビューの発言内容を分析した。分析を経て得られた主な示唆は次の二点である。(1)推進アクターには、利害関係者間を調整するコーディネートや教学マネジメントに関する理解浸透を図るキュレーションの役割が求められる。(2)教学マネジメントに関する知識だけでなく、論理的思考力やリーダーシップなど多様なスキルや態度・志向性が求められ、それらを醸成するにあたり、学内のみならず学外で様々な経験を積むことが重要である。