2016 年 16 巻 3 号 p. 3_1-3_16
2004年紀伊半島南東沖地震の前震を対象として、経験的グリーン関数を用いた波形インバージョンを実施し、震源断層面上においてすべり量およびすべり速度が大きかったと考えられる領域を特定した上で、当該地震の疑似点震源モデルの作成を行った。設定した震源モデルは、比較的震源に近い地点での波形やスペクトルを良好に再現できるだけでなく、適切な伝播経路モデルと組み合わせれば、大阪平野、濃尾平野、関東平野など、比較的遠方の地点での地震動を比較的良好に再現できることがわかった。