抄録
宮城県北部地震の震度分布は、地震調査研究推進本部地震調査委員会が試作した確率論的地震動予測地図と合致したが、その震源断層は個別の震源としては想定外であった。想定外の活断層沿いでも震度6が発生した事実は、改めて活断層沿いの地震防災の重要性を示している。一般に、確率論的地震動予測地図では活断層の危険性が見えにくい。これは単に、活断層の活動間隔が長いため確率が高く成り得ないことだけが理由ではなく、現行の活断層評価手法にもその理由がある。シナリオ地震動予測図を併用するなどして、防災意識を十分高める工夫が必要である。