経済地理学年報
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介護保険の広域的運営による給付と負担に関する構成市町村間の不均衡
杉浦 真一郎
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2007 年 53 巻 3 号 p. 237-264

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抄録
介護保険制度では,複数の市町村による広域運営が認められている.中でも,保険財政を一体化させた広域保険者では,保険料負担を均一化させる一方で構成市町村ごとの受益(サービス給付の実績)が異なるなど,市町村間での受益と負担との間に一貫しない関係性がある点で地域的公正の観点からも重要な論点を含む.本稿では,全国における広域運営の状況を整理するとともに,広域保険者の構成市町村間での受益と負担の不均衡について分析した.広域保険者への調査から,保険財政の安定化・効率化,介護認定審査会の開催など業務の円滑化,保険料の均一化などが広域化の重要な利点として考えられていることが確認された.また厚生労働省の資料によれば,全国の市町村数の80%近くは何らかの形で広域化の方法を採用しており,とくに人口規模が減少し高齢化の進む町村部で目立っている.広域保険者の構成市町村間での受益と負担との関係について,第1号被保険者1人あたりの給付実績を単独運営と広域化した場合とで対比して算出した独自の指標である「広域化受益率」を導入して分析した.その結果,広域保険者の概念的類型化として,構成市町村が受益層と負担層とに分極化した「M字型」,各構成市町村の「広域化受益率」が広域保険者全体の値に近い水準に集中し,保険者として良好な安定性を持つ「釣鐘型」,少数の構成市町村で受益または負担感の著しい「離れ島型」の3タイプが導かれた.
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© 2007 経済地理学会
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