抄録
本研究は,情報活用能力の情報収集に関する要素に着目し,教員養成課程におけるファクトチェックを通したオンライン情報の評価能力の指導力育成を図る授業開発とその実践に基づく効果検証を目的とする.授業は,ファクトチェックを中核的な学修活動に位置づけて,教員養成課程の学生を対象として90分で完結する構成とした.授業実践の前後に実施した効果検証テストとオンライン情報の評価能力の指導力に関する自己評価を,対応のあるt検定を用いて検討した.その結果,本実践においては効果検証テストの平均点とオンライン情報の評価能力の指導力に関する自己評価の得点が有意に向上していた.本研究では,教員養成課程に所属する教員を志望する学生を対象にした実践に留まっていることから,児童・生徒を対象とする学校現場への波及が今後の課題と考えられる.