日本腹部救急医学会雑誌
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特集
CHDFは意味があるか?
急性膵炎の診療ガイドラインにおけるCHDFの位置づけ
北村 伸哉
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2008 年 28 巻 4 号 p. 581-585

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抄録
全国集計では重症急性膵炎(以下,SAP)に対する血液浄化法(以下,BP)として CHDFが最も多く行われているが,その救命率は芳しくない。しかし,この報告では施行された BPの目的,開始のタイミングや施行方法等,いずれも一定ではなく,その効果の実態を導きだせるものではない。SAPに対する CHDFの効果を検証するにはその適応が合併した急性腎不全に対するものなのか(renal indication)膵炎の病態を増悪しうる病因物質除去効果を期待したものなのか(non-renal indication)を考慮して検討する必要がある。また,使用した血液浄化器の素材も病因物質除去効果に影響するかもしれない。CHDFの臓器不全予防効果に関してはその有効性を示唆する研究が報告されているが,信頼しうるデータに乏しく,その推奨度はレベルの低いエビデンスに基に決めざるをえない。(non-renal indication:推奨度C1)。また,急性腎不全に対するBPの開始タイミングは発症早期の方が有効であるという最近の知見より十分な輸液にもかかわらず,循環動態が不安定で利尿の得られないSAPでは積極的にCHDFを施行すべきである(renal indication:推奨度B)。
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© 2008 日本腹部救急医学会
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