抄録
救命救急センターに搬入される患者は,緊急度も高く,入院時から複数の診療科にまたがることが多い。そのため救命救急センターで必要なチーム医療は,生命に関わる危機的な生理学的異常に対して,素早く判断して対応できるチーム作りが要求される。医師や看護師,薬剤師,臨床工学技士など各部署での指揮命令系統等やそれぞれのメンバー間の上下関係にとらわれることなく,チーム医療を展開しなければならない。その上で,チームリーダーの責務は大きく,情報を共有しこれから行うべき治療計画と手順を適切かつ明確にメンバーに伝え,行った医療に対してはチーム全体で評価することが要求される。救命救急センターの初療におけるチーム医療は,その他のチーム医療と同様に,チームを構成するメンバーが互いに尊重しあい,平等に権限を共有し患者を中心とした考え方で協力的体制をとることが大切である。