日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
原著
総胆管結石性胆管炎に対する初期治療の現状
淺井 哲佐々成 太郎藤本 直己一ノ名 巧赤峰 瑛介田上 光治郎南原 幹男城田 哲哉小川 淳宏
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2014 年 34 巻 1 号 p. 11-17

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抄録

2013年3月にTG13が発行されたが,それまで当院では胆管炎に対し第1版(JGL)に沿って診療を行ってきた。2008年9月から2012年の12月までの総胆管結石性胆管炎202例について検討した。JGLでは軽症/中等症/重症=28.2%/62.4%/9.4%であったが,TG13では軽症/中等症/重症=48.5%/42.1%/9.4%と中等症の割合が減っていた。中等症の緊急ドレナージ率は基準2項目以下と3項目以上でそれぞれ28.9%,58.3%と有意差を認めた(p<0.05)。重症例で菌血症以外の項目を満たす11例全例に緊急ドレナージが施行されていた。緊急ERCPの50.0%で一期的截石が施行されていた。生存率は98.5%,ERCP偶発症は6.4%でありJGLを遵守した安全な治療がなされていた。菌血症以外の項目を満たす重症例や3項目以上を満たす中等症例に対しては緊急ドレナージが必須である。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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