日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
索状物による下行結腸絞扼性イレウスの1例
久保 直樹
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2014 年 34 巻 1 号 p. 95-99

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抄録

症例は76歳,男性。虫垂炎の手術既往あり。右肺癌(癌性胸膜炎)に対し抗癌剤治療で入院中であった。2週間ほど前より腹痛を認めていたが腹部症状が強くなりCTを施行したところ,下行結腸に閉塞部を認めイレウスの診断で外科紹介となった。明らかな腫瘍性病変は認めず腸間膜内ヘルニアが疑われ緊急手術を施行した。術中所見では大網の索状物により下行結腸が絞扼されていた。腸管壊死は認めず索状物切除のみを施行した。術後4日目ごろより右季肋部と左側腹部痛を認めるようになった。さらに炎症反応高値を認めたため術後6日目にCTを施行したところ前回絞扼部の結腸穿孔による腹膜炎と壊疽性胆囊炎を認め再手術となった。左半結腸切除,腹腔内洗浄ドレナージ,横行結腸人工肛門造設術,胆囊摘出術を施行し再手術後49病日で退院となった。開腹術後の索状物による腸閉塞症は小腸がほとんどで,大腸はまれであり文献的考察を加え報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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