日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
特集:わが国においてAcute Care Surgeryをいかに整備するか?
Acute Care Surgeryへの取り組み
─実践と教育─
益子 一樹安松 比呂志本村 友一林田 和之斎藤 伸行八木 貴典松本 尚益子 邦洋
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2014 年 34 巻 5 号 p. 975-980

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抄録
Acute Care Surgeryは『外傷外科』,『内因性救急外科』,『外科集中治療』を3本の柱とする外科概念として提唱されたが,これまでに教育の明確な到達目標,カリキュラム,施設などは提示されていない。当センターはAcute Care Surgeryを要求される知識,技術の点から,外科専門医の上位の外科専門領域と位置づけている。症例の集約化に努めてきた結果,36ヵ月間に222症例の手術を施行し,外傷症例167例については,予測生存率(Ps:0.658)を超える良好な実生存率(73.6%)を得ることができた。3名の外科専門医の手術件数においては,重症度,緊急度の極めて高い手術を経験しながらも,専門医の更新に十分な(20症例/年)症例数を経験可能であった。6ヵ月の研修を行った専門医未取得者についても,専門医申請に十分な症例数(10例)を担保できており,当施設はAcute Care Surgery教育施設のモデルとなり得ると考えられた。
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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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