日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
経腸栄養中に空腸・十二指腸の逆行性腸重積を発症した筋ジストロフィー患者の1例
牛込 創篠田 憲幸西土 徹齋藤 正樹原田 真之資青山 佳永柴田 孝弥堅田 武保寺西 太
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2016 年 36 巻 3 号 p. 633-635

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抄録

順行性腸重積の報告は多数存在するが,逆行性腸重積はまれである。今回われわれは,経腸栄養中に十二指腸へ逆行性の腸重積をきたした筋ジストロフィーの患者を経験したため報告する。症例は16歳の女性。先天性筋強直性ジストロフィーのため気管切開,胃瘻造設術後でADLは寝たきりであった。胃瘻からの経管栄養では嘔吐することがあり経胃瘻的空腸チューブが留置されていた。嘔吐を主訴に来院された。精査にて空腸が十二指腸下行脚へ重積している所見を認めたため,逆行性腸重積と診断した。内視鏡的還納は不可能であったため,緊急手術を施行した。用手的に空腸を還納して確認すると,Treitz靭帯から10cm程肛門側の空腸が50cmに渡って十二指腸へ逆行性に重積していた。今回の病態の原因として,基礎疾患とPEG-Jが影響を及ぼした可能性が考えられたが推測の域を出ない。極めてまれな病態であり報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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