日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
造影CTで診断し得た外傷性右横隔膜ヘルニアの1例
寺境 宏介林 英司澤崎 直規
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2017 年 37 巻 1 号 p. 061-064

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抄録

症例は28歳男性。軽自動車同士の衝突による交通外傷で救急搬送された。右呼吸音が減弱し,造影multi detector row CT(以下,MDCT)から作成したmultiplanar reconstruction(以下,MPR)画像で肝臓の圧痕像,および突出した肝臓に帯状の造影不良域を認めた。胸腔ドレーン留置後も酸素化不良であり,右横隔膜ヘルニアの診断で緊急手術を施行した。開腹すると肝右葉の一部が胸腔内へ脱出・嵌頓しており,還納が困難であったため第7肋間で開胸を追加した。胸腔側からの圧迫で還納した後,右横隔膜腱中心から腹側へ筋線維に沿って15cmにわたって裂けているのを確認した。裂けた横隔膜を縫合閉鎖し手術終了した。術後経過良好であり,骨盤骨折のリハビリ目的に術後23日目に転院となった。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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