日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
傍ストーマヘルニア内で人工肛門穿孔した1例
桒田 亜希平野 利典海氣 勇気
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2018 年 38 巻 5 号 p. 929-932

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抄録

患者は80歳,男性。洞不全症候群でペースメーカーを留置しており,8年前には特発性直腸穿孔に対しハルトマン手術を施行していた。朝から左側腹部痛が出現した。他院を受診したが,改善しないため夕方になり当院に救急搬送された。腹部造影CT検査で腹水およびfree airを認めた。また傍ストーマヘルニアも認め,ヘルニア内で人工肛門の腸管外に同濃度陰影を認めた。傍ストーマヘルニアおよび人工肛門穿孔と診断し,緊急手術を施行した。手術所見では傍ストーマヘルニアを認め,嵌頓腸管は小腸であった。小腸には穿孔や壊死は認めなかった。S状結腸人工肛門に穿孔を認めたため,同部位を切除し横行結腸に人工肛門を造設した。術後は集学的治療を施行し,術後第40病日目に退院となった。今回われわれは傍ストーマヘルニア内で人工肛門腸管が穿孔した1例を経験したので,文献的考察を加え報告する。

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© 2018, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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