日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
穿孔性虫垂炎術後化膿性肉芽腫を形成した腹部放線菌症の1例
桒原 聖実福井 史弥西野 真史杉田 洋之
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2019 年 39 巻 3 号 p. 621-624

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抄録

症例は81歳,女性。穿孔性虫垂炎に対し虫垂切除術,洗浄ドレナージを施行した。退院4ヵ月後に右季肋部痛を主訴に受診した。腹部造影CT検査で肝下面から右側腹壁にかけて,限局する不均一な脂肪織濃度の上昇を認め遺残膿瘍が疑われた。全身状態は安定していたことから,レボフロキサシン500mg/日を経口投与して治療を開始した。しかし1週間投与するものの腹部症状,炎症反応ともに改善しなかったため,開腹下に掻爬術を施行した。右季肋部の後腹膜から右側腹壁にかけて化膿性の肉芽組織を認めたため可及的に掻爬した。術後切除標本から放線菌が確認されたことから,穿孔性虫垂炎に起因する腹部放線菌症と診断した。肉芽組織を完全に切除することは困難であったためアモキシシリン1,500mg/日を半年間内服する方針とした。穿孔性虫垂炎術後に遺残膿瘍を認めた場合は放線菌症を念頭に置く必要がある。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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