日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
原発性虫垂結核の1例
森園 剛樹渡辺 俊之稲葉 由樹寺井 恵美橋口 陽二郎坂本 穆彦
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2024 年 44 巻 6 号 p. 799-802

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抄録

症例は30歳台,女性。右下腹部痛と発熱を主訴に来院した。CTで腫大した虫垂を認め急性虫垂炎と診断された。保存的加療を行うも約3週間後に炎症が再燃し,虫垂切除術を施行した。術中所見は局所の炎症性変化のみで,膿瘍や結核性腹膜炎を示唆する白色結節はみられなかった。術後病理組織学的検査で虫垂に乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫,ラングハンス氏型巨細胞を認め活動性の虫垂結核と診断した。胸部CT,抗酸菌塗抹検査,培養検査,PCR検査,インターフェロン-γ遊離試験による全身検索を追加したが,結核感染を示唆する所見はなく抗結核菌薬の投与は行わなかった。経過良好のため術後10日目退院となった。後日上下部消化管内視鏡検査が実施されたが結核病変はなく,他臓器に感染病変を伴わないいわゆる原発性虫垂結核と診断した。術後9ヵ月後の現在,とくに異常は認めていない。原発性虫垂結核の本邦報告例は3例しかなく,希少と考えられた。

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