日本腹部救急医学会雑誌
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閉塞性黄疸に対する緊急胆道ドレナージの意義
大谷 泰雄飛田 浩輔堂脇 昌一矢澤 直樹石過 孝文柏木 宏之石井 正紀杉尾 芳紀今泉 俊秀幕内 博康
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2003 年 23 巻 7 号 p. 1053-1059

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抄録

閉塞性黄疸を呈する病態には, 比較的軽症のものから急性閉塞性化膿性胆管炎などの重症なものまである. 重症の胆管炎の死亡率は極めて高く, 状況に応じて適切な緊急胆道ドレナージなどの治療方法を選択することが必要である. 一般的に閉塞性黄疸の減黄処置としては, 経皮経肝的アプローチとしてPTBD, 経乳頭的アプローチとしてENBDがあり, 病態に応じて選択されている. われわれは, 従来より閉塞性黄疸に対して, 第一選択としてPTBDを施行してきたが, 内視鏡的手技が安定した1988年5月より総胆管結石嵌頓による閉塞性黄疸の症例に対してESTを施行せずに5Fr-ENBDを用いた胆道ドレナージを開始した. 総胆管結石嵌頓による閉塞性黄疸に対する5Fr-ENBDによる減黄効果は, PTBDとほぼ同等で重篤な合併症もなく安全な方法である. しかしながら, ENBD挿入困難症例もあり, 症例に応じたドレナージ方法を適宜選択することが重要である.

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