日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
新生児・乳幼児の急性大量消化管出血
漆原 直人長谷川 史郎小倉 薫宮崎 栄治福本 弘二古田 繁行森村 敏哉
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 25 巻 1 号 p. 35-40

詳細
抄録

新生児・乳幼児の大量消化管出血の頻度は少ないが, 容易に循環不全に陥りやすく迅速な対応が必要である。小児では年齢特有の疾患があり, 各々の疾患を念頭に診断・治療にあたる必要がある。大量出血の原因として, 新生児ではAGML, 腸回転異常, 胃破裂, 壊死性腸炎, 乳幼児では胃十二指腸潰瘍, Meckel憩室, 腸重積, 食道胃静脈瘤破裂などがあり, またまれではあるが腸管血管腫などがある。新生児・乳幼児の大量消化管出血では緊急手術を必要とする疾患が多く, 手術のタイミングを逸することがないよう注意が必要である。本稿では新生児や乳幼児の大量の吐血・下血に遭遇した時の緊急処置と鑑別診断について自験例をまじえて述べた。

著者関連情報
© 日本腹部救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top