日本腹部救急医学会雑誌
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膵頭十二指腸切除後出血に対するTAEの適応と限界
三浦 文彦高田 忠敬天野 穂高吉田 雅博古井 滋神武 裕落合 武徳岡住 慎一浅野 武秀
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2005 年 25 巻 6 号 p. 821-824

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抄録
PD後に出血をきたした17例について治療法別に検討を加えた.TAEが4例, 開腹止血術+膵外痩造設術が10例, 開腹止血術が2例, 人工血管置換術+膵外痩造設術が1例に施行された.再開腹手術を施行した9例に術中Occlusion Balloon Catheterによる大動脈遮断を行った.救命率はそれぞれ75%, 90%, 0%, 0%だった.TAEの合併症として肝梗塞が1例に発生したが, 肝外側区域切除術を施行し救命が可能だった.上腸間膜動脈からの出血を4例に認め, 全例に再開腹手術を施行したが救命例はなかった.TAEはPD術後出血に対して有効であるが, 感染がコントロールできない場合や肝, 腸管の臓器血流の保持ができない場合は, 再開腹手術の適応で, その際Occlusion Balloon Catheterによる大動脈遮断が有効だった.
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