2026 年 28 巻 p. 11-20
世界的にテロ行為の脅威に晒されており、それは日本も例外ではない。また日常的にも化学薬品の流出やガス爆発による事故は起きており、Chemical、Biological、Radiological、Nuclear、Explosive(以下、CBRNEと略す)に対する医療従事者、中でも看護師の対応能力の備えは必須といえる。本調査では(1)CBRNEインシデントに病院で対応する看護師の備えの程度と、(2)看護師のCBRNEインシデントに対する備えに影響する因子について、先行研究レビューを実施した。レビューは、「スコーピングレビューのための報告ガイドライン(PRISMA-ScR)日本語版」に準拠して実施した。文献検索にはCiNii、医中誌Web、PubMedなどのデータベースを使用し文献を収集した。検索の結果、選抜された文献は14件であった。看護師のCBRNEインシデントへの備えの状況は、中等度からとても低い結果であった。備えに影響する因子は、過去のCBRNEインシデント対応経験、災害管理コースなどへの参加、職場環境などが抽出された。看護師のCBRNEインシデントへの備え状況には国や地域で差があるとともに、調査は十分にされているといえない。しかしながら危険は継続しているため、調査を進め、国や地域の実情に合わせた訓練の実施が急務である。